雷様

こういう質問大好き。

雷雲の上にはカミナリ様が居ますが、

感電しないのですか??・・・・・・・・・・。

しませんよ。
電線にとまっている鳥が感電しない理由と同じです。

電気は、水が高いところから低いところに流れるように、電圧が高いところから低いところに流れます。
また、抵抗が小さい方へ流れます。
電線は非常に抵抗が少ないため、抵抗が大きい鳥の足なんぞに流れようとせず、電線の中をひたすら流れますから、鳥は感電しません。
ただ、仮に鳥の足が異常に長く、片方が地面に接地していたとしたら話は別です。
地面は電圧が非常に低いですから、電気は電圧の高い電線内から、電圧の低い地面に流れようとして、多少の抵抗など無視して、鳥の体内を通過します。
あっという間に焼き鳥一丁。


雷様は雷雲の上でお仕事をされているわけですが、雷雲の中の方が抵抗がずっと少ないため、電気は雷様を通過しようとしません。
雷様が乗っている雲が山の上に差しかかり、うっかり片足を地面に付いたり、木にひっかけたりしたら、さすがに雷様もドリフネタをも越える雷撃に即死してしまうでしょう。

雷様だって色々大変なのだ。ストレスだってきっと溜まっているに違いない。
仕事のためとはいえ、うっかり地面も踏めないんじゃ、単身赴任であちこちの空をめぐる日々に、嫌気が差す事だってあるだろう。
そりゃたまには大暴れして山手線を停めたりしても、大目に見てやらなければなるまい。たとえその影響で京浜東北線まで停まって、えらい迷惑をこうむっても、文句をいってはいけない。
彼らの頑張りが、世から旱魃の恐怖を取り除いているのだから。
うん、いわないよ。
いわない。
チッ。



戯れ言はともかく。



送電線の工事などで、目もくらむ高さの送電線を渡っている作業員の姿などを、テレビで見たことがないだろうか。
大電流が流れている送電線だが、あの電線、感電しないように分厚いゴムで覆ってある、というわけではない。むしろむきだし。
なのに感電もせずに仕事をしているのは、鳥が感電しない原理と同じ。
わざわざ電気抵抗が電線より強い作業員の体を通っても、電気には行くところがない。電圧が低いところに電気は流れるのだから、人間の体に通ったって良さそうなものだが、人間の体がいくら電圧が低くても、そこから先に行くところが無いのだから、電気は流れようもない。
だから、作業員が長いひもでもぶら下げていて、そのひもが木や地面に触れでもしたら、その瞬間に電気は電圧の低い地面に逃げようとして作業員の体を通過する。



強い絶縁体を身につけているから作業員は無事なのだ、と勘違いしている人も多いが、送電線レベルの大電流だと、人間が体の自由を維持できる程度の装備で完全に絶縁するのには無理がある。
強力な絶縁体だと信じられているゴムだが、完璧ではない。
分厚いゴム手袋、という程度のものでは送電線の電流を阻止することなど無理だそうだ。